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【アパレル業界はおかしい?】現役MDが語る業界の闇と今後の展望!

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おのたく
おのたく
ど~も!おのたくです。

ツィッターアカウント☞@onotakublog.

この様な疑問にお答えいたします

 

本記事の信頼性

私はアパレル業界に携わって15年近くになります。

最初は販売員として採用され、店長、営業、と様々な職種を経験しており、現在はマーチャンダイザー/ECリーダーとして仕事をしております。

また自社の採用担当も兼任しており、年間50人以上を面接しています。

そんな日本のアパレル業界を最前線で見てきた私が、アパレル業界のおかしい部分を指摘します。

 

「アパレル業界ってなんかおかしいなぁ~」

その様に感じている人も多いでしょう!

  • ブラック企業が多いの?
  • いつもセールしてるけどプロパーで買うのは損?
  • 販売員って本当に必要なの?
  • 今後どうなっちゃうの?

こんな疑問を感じている人の為に、アパレル業界のリアルを詳しく解説していきます。

是非最後までご覧下さい。

Contents

アパレル業界はブラック?

よくアパレル業界はブラックだと言われていますが実際はどうなのでしょうか?

 

結論から言ってしまうと、まだブラック企業が残っているのがアパレル業界です。

昔は本当にブラック企業が多く、10年位前までは特にマルキュー系ブランド中心にブラックでした。
しかし、ここ数年の働き方改革などで、労働環境が大幅に改善されたブランドも多いです。

しかし、依然としてブラックな企業が残ってしまっているのも事実です。

 

いまだにみなし残業のところも

労働時間に対してアバウトな所があるのがアパレル業界のおかしな所です。

特に正社員に対して、どれだけ残業してもみなし残業として一定の残業代しかでないところや、そもそも残業代を出さない企業もいまだに残っています。

おのたく
おのたく
さらにヒドイのは休日出勤を強いるところも、、

 

有給?なにそれ?

2019年から有給取得義務化が開始されましたよね?

それでも一部アパレル企業では、規定の5日間を取らせていない所や、5日間は取得させてもそれ以上は使わせない所もあります。

アパレル販売員は慢性的な人手不足の為に、少ない人数でシフトを組んでいる所が多いです。

その為、有給を気軽に取らせない企業が多いのです。

 

アパレル業界はプロパー消化率が低すぎる!

「プロパー」という言葉を知っていますか?

プロパーとは、

英語で「正規の」という意味です。
アパレル業界では「プロパー価格」という形で使われており、値引きされる前の定価の事を表しています。

アパレル業界では、このプロパー価格での消化率が低いのが大きな問題となっています。

 

常に値引きありき

その要因としては、常にセールや「50%オフ」、「タイムセール」などの、値引きありきの販売方法を取っている所が多いからです。

いかにセールイベントを組んで、その期間に売るか?」

麻薬の様に常に値引きをする事が当たり前になってきており、プロパーだと売り上げを取れなくなってしまっているのがアパレル業界のおかしな所です。

おのたく
おのたく
ネット販売は更に値引きの嵐です。ZOZOなどは常にタイムセールを行っていますからね、、

 

在庫過剰なのが当たり前?

プロパー消化率が低い原因として、在庫過剰になってしまっている企業が多いのもあります。

ファッションの特性上在庫の積み込みが難しというのが原因です。

洋服は生産拠点として、中国を中心にベトナム、バングラディシュ、インドネシア、カンボジア、等で作っている為に、発注から納品まで1ヵ月~6ヵ月以上掛かってしまいます。

しかし販売期間は長くても2~3ヵ月程度と、生産期間が長いのに販売期間が短いという非常に難しい業界です。

また、発注側の気持ちとしても、

  • 売上を上げる為には在庫を切らせられない
  • その為多めに発注してしまう
  • 発注枚数が多ければ多いほどコストを下げられる

この様な理由から在庫過剰になり、それを消化する為に値引きが発生し、プロパー消化率が下がってしまうのです。

 

ユニクロが一強過ぎるのもおかしい

「日本のアパレルで最大手は?」と聞かれたら業界人じゃなくても99%の人が「ユニクロ」と答えるでしょう。

それほど日本のアパレル業界はユニクロ一強です。

アパレル業界はユニクロやGUを擁する「ファーストリテイリング」が圧倒的な独走状態になっており、それを追いかける業界第2位の「しまむら」との差が大きいです。

ユニクロ しまむら
2016年売上 1兆7864億円 5460億円
時価総額 6兆5447億円 2694億円

少し古いデータですが、この時点で売上額で見ても3倍以上の差がついており、その差は年々広がっていっています。

この様に、業界の中で1社が独走状態になってしまうのもおかしい点です。

 

ユニクロが招いたのは低価格化

ユニクロや、2008年に日本に入ってきたH&Mを筆頭にした「ファストファッション」が日本のアパレル業界に招いたのは洋服の低価格化です。

それにより、消費者は「安くて今時の洋服がたくさん買える!」という嬉しい状況になりましたが、アパレル市場としてはどんどん縮小してしまいました。

それもそのはず、どの業界でも商品の低価格化がすすめば、市場の縮小は必ず起こるのです。
経済学の常識です。

その為、日本のアパレル業界はユニクロだけ高い利益率を吸い上げ、その他の大半の企業はどんどん苦しい状況へと追いやられています。

 

日本のファッションは没個性化になってしまった

長年日本のアパレル業界の最前線で見てきましたが、日本のファッションはどんどん没個性化になっています。

昔ほど、「自分のファッションを楽しむ」、「人と被りたくない」といった意見が消えてしまっています。

 

ノームコアの流れが顕著に

その要因の一つとして、ファッション業界のトレンドの変化があります。

それが2014年に流行した「ノームコア」です。

これは、「ノーマル」と「ハードコア」を掛け合わせた造語で、「究極の普通」という意味です。

服はTシャツにデニムの様に、極力シンプルで良い。その分生き方にこだわる。

という考え方が一気に流行りました。

それ以降というもの、先述したユニクロの躍進もあり、「普通の恰好がオシャレ」「目立つのはダサい」という風潮になっていきました。

 

多様化する世界でアパレルだけが逆行している

おかしな点として、世界的にはどんどん多様化しており、ライフスタイルや趣味、働き方などは一人一人が違う世の中になってきました。

しかし、アパレル業界だけは逆の動きをしています。

一昔前だと、メンズでもギャル男がいたり、B系のファッション、裏原系、お兄系と様々なテイストを楽しむ人たちが同世代に大勢いました。

レディースでもギャルやマンバ、エビちゃんをアイコンとしたCancan系など、様々なファッションを楽しんでいました。

 

毎年変わらないファッション

また、昔は毎年トレンドが変わっていく為に、常に最新のファッションを追及する事が大切でした。

しかし、今では1年毎の変化は非常に少なく、去年売れていた物を今年もそのまんま販売しても、しっかり売れていきます。

私自身、もう10年以上服作りをしていますが、服作りの仕方も大きく変わってきています。

昔は、今年のトレンドをいかに捕まえて、短期間で商品を作る事が大切でした。

しかし今では、いかに前年売れた物を、長期間で安く作れるかが大事になっています。

この様に、服作りの方法から変わってきているのがアパレル業界の現状です。

 

アパレル業界のこれから

ここまでは、日本のアパレル業界のおかしな点を挙げてきました。

全体的にネガティブな話しばかりで、「日本のアパレル業界は不安だな~!」っと感じている人も多いでしょう!

ではコロナ真っ只中の2020年以降、アパレル業界はどうなるのか?私なりの予想を書いていきます。

 

まだまだ潰れる企業が増える

もとからの価格低下による市場の縮小に追い打ちをかける様に、コロナの営業自粛があった事により、アパレル業界は大打撃を受けました。

この記事を書いているのが、2020年の7月ですが、これ以降も影響を受ける事は必至です。

単純にお店にお客様が来ないので売上が下がるブランドがほとんどでしょう。

それにより、まだまだ潰れる企業が出てくるのは確実で、アパレル業界は更に淘汰されていくでしょう。

 

さらなる低価格化

先ほどからユニクロは低価格と言ってきましたが、これからはユニクロですら高いと言われる時代になるかもしれません。

世界的に見ても、アパレル業界の低価格化はどんどん進んでいます。

ファストファッションの次はウルトラファストファッションが来ており、更に安いのが当たり前になっています。

ちなみに日本のアパレル業界は世界の流行の10年遅れできています。

ファストファッション、ネット通販、オムニチャネル化など、世界的な流行から10年は遅れて日本に入ってきています。

ですので、今世界的に起こっている更なる低価格化からは日本のアパレル業界も避けられないでしょう。

 

明るい話しは無いの?

正直アパレル業界は力を持たないブランドが淘汰され、更なる低価格による市場の縮小という暗い話ししかない様に見えます。

しかし、アパレル業界にとっての明るい話しが無いわけではありません。

それが3Dプリンターです。

 

3Dプリンターが普及されれば世界が変わる

最近何かと聞くことの多い3Dプリンターが、アパレル業界にも実装されたら世界が変わります。

  • 在庫過剰が無くなり利益率が大幅に上がる
  • 在庫を切らす事が無い
  • 店舗はショールームとなり倉庫やストックなどの効率化が出来る

この様に今まではネックになっていた部分が一気に改善され、利益率が上がる事が予想され、アパレル業界にも明るい未来が来るでしょう。

 

でもそれって未来の話しじゃないの?

 

はい、未来の話しです。

でも5年、10年というそう遠くない未来の話しです。

すでに各コレクションでは、3Dプリンターで作った服を出すブランドも出てきていますし、理論上は車のタイヤ以外は3Dプリンターで作る事が出来る時代です。

3Dプリンターで、その場で作れる時代がすぐそこまできているのです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

アパレル業界のおかしな点を紹介させて頂きました。

  • アパレル業界はブラック
  • プロパー消化率が低すぎる
  • ユニクロの一強
  • 没個性化
  • 低価格化によるブランドの淘汰
  • 3Dプリンターによる明るい未来

この様な懸念点があるのが今のアパレル業界です。

しかし、新しい技術によりもっと明るい未来がきたり、時のブームにより情勢が一気に変わったりと、さきが見えないのがアパレル業界の楽しいところでもあります。

 

 

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